![]() EARDRUM INSIDE MUSIC - R&B,HipHop,Funk,Soul,Raggae,Dance,Jazz,Pop 2007-2009 |
| (((●))) ●更新途中のためご迷惑をおかけしています。 ●08年のレビューを少しづつアップしています。 ●その存在自体は知られていたものの、オリジナル・プレス数が300枚と少なかったこともあって、滅多に聴くことができなかった幻のアルバムJimmy Radway & The Fe Me Time All Stars《Dub I》 がUKのPressure Soundから再発。こと音楽の場合でいえば、物的な希少価値の高さと芸術的な質の高さが比例することは本当に稀だが、この作品はその素晴らしい一例だ。Jimmy Radwayは「Rhythm Master」ことGlen Brownを彷彿とさせる才能あるプロデューサーだったが、1972年に立てた自身の独立レーベルFe Me Timeでの活動に終始したこともあって、評価の進んだBrownに対してその存在は知られていない。実際Radwayのサウンドはハードなドラムスと ボーンに よって組み立てられた独創的なもので、そのタフさはBrownのプロダクションとかなり近いものがある。代表的な作品としては72年のErrol Dunkley"Black Cinderella"や75年のDesmond Young"Warning"があるが、これらは紛れもないルーツ・クラシックだ。とりわけ前者のリズムはBig Youth初期の不遇シングル"The Best Big Youth"やI Roy"Sound Education"をはじめ多くの楽曲の雛型として用いられた強烈なルーツ・テンプレートで、ここにはその二つのヴァージョン("The Best Big Youth Version"、"The Child Of Mine Version")が収められている。 そんなRadwayの編み出したリズムが素晴らしいことは言うまでもないが、しかしながらこのアルバムの主役は、もう一人の天才Errol Thompsonによる非の打ちどころのないダブ・ミックスだ、といってもいい。例えばアルバムの幕を開ける"Black Rights"は先述の"Warning"をダブワイズしたものだが、Thompsonのヴァージョンは"Warning"の7インチシングルのB面とし て収められたオリジナルをも 凌ぐ出来で、冒頭のホーンはより鮮烈に、リズム・セクションは より研ぎ澄まされて響き渡る。その音像は、ホーンの先陣、バスドラとベースの漸進、綿密なハイハットの追随によって全く隙のないグルーヴを生みだした Radwayのサウンド・イメージを完璧に捉えたもので、孤独な放浪の情景と、セカンドライ ン・ブラスバンドじみたファンファーレの感性を一挙に結びつける。 Radwayのシンボリック・リズムを処理した"Cinderella"は、 ジャメイカ屈指のリズム・ブラザー Carlton Barrettのフィルイン、Aston Barrettのうねるようなベース、とどろくトロンボーンと残響するパーカッションが生みだす凄絶なグルーヴに圧倒されるも、その印象を追求していくう ちに、計 算されつくした音の鳴り、そして病的なまでにこだわられた音配置にThompsonのすさまじい業を見る。他にも勇壮なホーン・トリルが狼煙を上げる "Back To Africa"、Leroy Smartの"Mother Liza"、I-Royの同名曲で知られる"Hell And Sorrow"リズムのダブ・バージョンが収められているが、そのどれもが足し引きの必要ない完璧な音の構造体だ。潔癖なまでの美しさ。 ●今好んで聴いてるのは、去年出たPavement《Brighten the Corners;Nicene Creedence Edition》(Matador)。Pavementといえば最初の三枚って気がするが、個人的にはこの4枚目が一番好きだったりする。●The Ragga Twinsはイースト・ロンドンのUnity Reggae Sound Systemを拠点に活動した二人組で、91年のデビュー作、95年のオーストラリアのみで流通したセカンドと、2つのアルバムを残している。同レーベル には"Raving I'm Raving"をヒットさせたShut Up And Danceがいて、二人は彼らと活動を共にする中で、UKのデジタルなダンスホール・レゲエと、ジャングル、アシッド・ハウス、USのヒップホップをいっ しょくたにした雑多で個性的なスタイルを見出していった。質の高いリイシュー/コレクションで知られるUKのSoul Jazzからリリースされた2枚組《Ragga Twins Step Out》(Soul Jazz)にはそんな彼らの、今の時代に聴くと流石にちょっとぎこちないものの、しか し情熱的で、なんだか微笑ましくなるような挑戦の数々が収められている。 "Spliffhead" や"Wipe the Needle"は打ち付けられる当時のヒップホップ風ブレイクがダブっぽい質感で広がっていく先鋭的な出来だし、二人の急きたてるようなラガ・フロウには USヒップホップ勢にある洗練とジャメイカの荒っぽさが同居しているように思える。今ではプレミアとなる1stアルバム、その幕開けを飾った"The Homeless Problem"は、切羽詰まったドラムスとパラノイアックなシンセ・フレーズの組み合わせが妙だ。白眉はカルチュラルDJが木霊しながらも調子が一転す る"Rudeboy"で、これは多分ラガとレイヴ・カルチャーのサウンドクラッシュが10年以上前に描き出したグライムの青写真だろう。 他に もレ アな未収録曲("Hard Drugs-Deman Rockers"、"Iron Lady-Deman Rockers")や リミックス曲の収録、フォ ト&インタビュー掲載のブックレットといったSoul Jazzらしい気の利いた仕事がこのコレクションの価値を高めている。先の2作と同じくこのリリースもほとんど 話題にならなかった気がするが、興味が出たら聴いてみるのも良いと思う。 ●USでも70年代後半~80年代前半はファンクを背景に 持つディスコ・ミュージックが隆盛した時期だったが、海を越えたヨーロッパでは、イタリア・スペイン・ドイツ・フランスを主とするヨー ロッパ主導のダンス・ミュージックが流行していた。それらの全体的なムーヴメント・タームを指すItalo Discoという呼称は、ドイツのZYX labelの社長Berhnard Mikulskiが、USでもUKでもないヨーロッパ圏のダンス・ミュージックコレクション《Italo Boot Mix》シリーズをリリースしようとしたときに便宜上つけられたのが起源らしいが、今年出たこの《Disco Italia: Essential Italo Disco Classics 1977-1985》(Strut) は、ここ数年のポスト・パンク・リヴァイヴやニュー・ウェイブ、808sブームに見られる80年代の復興に機を得たイタロ・ディスコの一要 約。収録年はこのジャンルがハイ・エナジーと交わる前の初期音源に集中しており、20年以上前の楽曲ながら、今聴いてもそれなりに楽しめるシングルが収 められている。 フランスのグループFive Lettersの"Tha Kee Tha Tha"(1980年の アルバム《Yellow nights》からのセレクト)は、最近のジャズ・ファンクと通ずるムードの良さこそあれど決して際立っていないため、アルバムの幕開けとしてはちょっと 微妙。続いては、イタロの重要人物Claudio Simonetti擁するKassoの16ビート"Brazilian Dancer (DJ Version)"。ギター・カッティングから順々に音色が重ねられるが、リズム・アクセントはパーカッションやドラム・シーケンスよりもベースとギター の絃楽器によって刻まれる。一説ではダンス・グループとしては初めてトーク・ボックスを使ったとされるKanoの12インチシングル"Now Baby Now"はこ のアルバムのコ ンパイラー/DJ、Steve Koteyによるエディット版。イタリアのプロデューサー/ピアニストMauro Malavasiが結成したRevancheの歯切れ良い"1979 It's Dancing Time"は、そのグループが出した唯一のアルバムであり全収録曲4曲のうちの1曲で、こちらもエディット版。 しかしこうして聴いてみると、 やっぱり米国音楽との関係は否定できないな。こちらの方が随分とディスコらしいし、全編を通じてヴォコーダ処理されたヴォーカルがとりとめない詩を訛り 入った英語でチャントする(それぞれに自国の言葉があるもんね)点 はもちろん違うけれど、ファンクを経た影響があるのかないのか、この後に続くユーロ・ビートなんかよりはずっとファンキーで救われる。なんにせよかなりの 量 出てる(しかもこのジャンル、シングル主導なこともあって重複が多い)イタロ関係のリイシューの中から一つ選ぶとすればこれかな。 |
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